阿修羅展


東京国立博物館で開催されている阿修羅展へ。1日1万人もはいっているという人気。ゴールデンウィークですし、4〜50分待ちは覚悟でいきました。お天気もよかったですし。

ウォーターサーバーで水のサービスも。

日傘の貸し出しもあり。

30分ちょっと並んで、入ることができました。

ほとんどの像がガラスがなく、直接見られるのは嬉しかった。迫力をびんびん感じながら、質感を楽しめます。「十大弟子」は、釈迦に従った高徳の僧ということもあり、落ち着き威厳を感じます。うっすらとあいた目は、今にも開き、動き出しそうな勢い。奇跡のように人間らしい造形。天平時代にこんなリアリティにあふれたものが作られたなんて、素晴らしいですねぇ!

八部衆像」はそれぞれの強烈な個性を存在感が印象的でした。鳥頭の「迦楼羅(かるら)」はインドネシアのガルーダを思い出させます。きっとつながりがあるのだろうなぁ。大胆なくちばし、ぎょろっとあいたまん丸の目、そして鳥っぽいキョトキョトした動きをイメージさせる。不思議〜な臨場感があります。

十大弟子」と「八部衆像」は、藤原不比等の娘、光明皇后の発願によってつくられた釈迦の説法集会の諸像とのこと。仏教を国家宗教化する公的なものだったようです。

そして目玉の阿修羅像。
八部衆の一人なのですが、明らかに他の仏像とは違う!ほかの八部衆がみな鎧を着装しているのに、阿修羅のみ上半身裸で、三面六臂(さんめんろっぴ=顔が三つ、腕が6本)。そして不思議にバランスのとれた身体。
そして奥深い表情の憂い顔。ひそめた眉の下の目は、一般的な細い切れ長の目とは全然違い、人の目のような印象。厚ぼったい下まぶたは涙ぐんでいるようにも見えなくもないけど、目力は強い。阿修羅って修羅場の語源ともなったように、闘いの神ということで知られているのに、この阿修羅像は小顔でスリムな美少年。表情もおだやか。お釈迦様の説法を聞いて、善神になった瞬間なのかなぁ。


興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」
2009年3月31日(火)〜6月7日(日)
東京国立博物館 平成館 (上野公園)
阿修羅展サイト http://www.asahi.com/ashura/
国立博物館 http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00
http://www.asahi.com/ashura/